80億分の1人としての、たわいもない日常を記す

謀略

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アメリカとイランの対立が先鋭化している。

先日はイラクにあるアメリカ大使館近くにロケット弾が着弾し、それに対してトランプ政権はイランが支援している武装組織によるものだと強く非難するとともに報復も辞さないと強硬な対応を見せた。さらに今日はイスラム教の聖地であるサウジアラビアのメッカからさほど遠くないところでも、これまたイランの支援を受けるフーシ派によるロケット弾攻撃があり、サウジアラビア軍がこれを撃墜したという。サウジアラビアアメリカ同様イランを強く非難したが、この構図はどうも怪しい。

そもそもイランがいまアメリカと戦争をしても、経済制裁でただでさえ落ち込んでいる経済が破綻をきたすのは目に見えている。イランとしてはアメリカが攻撃して来たら国を守るため当然反撃するが、自分から仕掛けて開戦の大義を与えるような愚かなことはしないだろう。

ではイランとアメリカが戦争をして一番喜び得をするのは誰だろうか?

それはイスラエルだ。イスラエルにとってイランは仇敵であり、イラク・シリアが弱体化した今、残るはイランだけだ。イランを叩けばイスラエルにとってこれほど安泰なことはない。

そしてもう一つがサウジアラビアだ。イスラエル同様イランを敵対視しており、何とかして叩いておきたいとそのチャンスを虎視眈々と狙っている。

そんなイスラエルとサウジにとってトランプが大統領になったことは千載一遇のチャンスであり、この機を逃すまいと両国はどんな手を使ってでも戦争を起こさせようとするだろう。

トランプ政権の中でもボルトンのように対イラン強硬派が台頭しているし、トランプの娘婿を筆頭に親イスラエル派の連中の力も侮れない。

端的に言えば現情勢は戦争を引き起こさせようとする力が作用していて、まるで湾岸戦争前の状況と似ている。あの戦争がもたらしたものは、もはや語らずともご存知のはずだ。

中国経済戦争を仕掛けている今、イランまで相手にする余裕はないと思うが、何をやらかすか分からない連中だけに不気味だよね。