80億分の1人としての、たわいもない日常を記す

ゼロの残滓

f:id:patiroma:20201023065857j:plain


20代の頃、川崎重工でヘリコプターを組み立てていた身からすれば、三菱重工の国産ジェット事業凍結は当然の結果と言える。民間企業というのにどうやったらあそこまで工期が伸び、予算が膨れ上がるのか。そのレベルは見通しが甘いなんてもんじゃなく、三菱重工の構造的欠陥から生まれるべくして生まれたものとしか言えない。三菱といえばパジェロ問題などで三菱自動車が低迷し、まだそれを引きずっっているというのに再びこの有様とは、やはり財閥企業の古い考え方や構造から抜けきれず、このまま滅びゆく企業となるのだろうか。岩崎弥太郎が生きていたらさぞ激怒することだろう。

おそらくこの新型コロナ禍で需要が消滅したことが、かえって膨大な資金を投入し後戻りできなくなりつつあった国産ジェット事業の凍結を決断させる大義名分になったのではないか。その点から言えば三菱重工は命拾いしたのかもしれない。しかし逆に生きながらえたことで従来の病根が残り、次期支援戦闘機開発にも同様の影響が出ないかが心配だ。