80億分の1人としての、たわいもない日常を記す

アジア最後のフロンティア

f:id:patiroma:20210412071905j:plain


非暴力の運動も世界的な世論の支援がなければ成り立たず、いとも簡単に公権力による暴力の犠牲となってしまう。国軍及び治安部隊による一般市民の虐殺といった最悪の状況に至っても、国連は実効性のある手を打てず市民の犠牲は増えるばかりだ。元々国軍と対立してきた少数民族武装勢力はこの弾圧に対して攻勢を強め、それに対する報復として空軍が武装勢力の拠点を空爆するなど内戦の様相を呈してきている。これまで非暴力を貫いてきた市民たちもこのまま国連による支援を受けられず理由も無く命を奪われ続けるなら、武装して闘う選択をするのが自然の流れだと思う。そうなればミャンマーは長く厳しい混沌の世界へ堕ちることになる。国軍は中国の支援を受け、中国の様な力による強権政治を行えると思っていたのかもしれない。力で押さえつければ市民はいうことを聞くだろうと考えていたが、想定以上に市民の反発が強く今は焦りからがむしゃらに弾圧している様相だ。ミャンマー軍を裏で支えている中国にしても、もし国軍が市民の力に押し負ける様なことになれば、その火の粉が飛び火して中国でも民主化を求める動きが起きかねないとハラハラしているに違いない。それほど力による統治というものは長続きしないものと歴史は証明しているからね。

せっかく『最後のフロンティア』として軌道に乗り始めていた経済を根本から叩き壊し、再び最貧国としての生き方を強要する軍を決して許してはいけない。大義は市民にあり、軍は間違いなく国を滅ぼす逆賊なのだ。

苦難に沈むミャンマー国民に対し、何らの希望も与えることができない日本政府の無能ぶりを恥ずかしく、申し訳なく思う。平和なのはいいが、ここまでボケてしまっていることに空恐ろしさを感じるよ。