80億分の1人としての、たわいもない日常を記す

空爆の意味

patiroma2015-11-18

パリのテロを受けてフランスは『戦争状態』を宣言し、シリアにあるISの拠点に対する空爆を有志連合とともに強化しているが、果たしてその空爆の効果のほどは?というとフランス国民の無差別テロに対する怒りのガス抜き程度の効果しかなく、かえってさらなる恨みを買う行為になっているような気がしてならない。

アラブの世界においてはパリのテロは確かに凄惨で許すことはできないこととの認識があるものの、パリのテロの前日にレバノンの首都ベイルートで起きた連続自爆テロでも40人もの人々が亡くなっているにもかかわらず、ほとんどその報道が為されず無視されている状況に、命の価値に対する二重基準を訴える人も多い。事実、シリアやイラクでは連日おびただしい数の人が理由もなしに殺され、姿を消しているのに、そういったことは最近はほとんど報道されなくなってしまっている。

生きるために命をかけてシリアを逃れてきたにもかかわらず、やっと辿り着いた欧州では厄介者扱いにされ、入国さえも拒否されそうな状況だ。当然難民たちは途方に暮れ、怒ることだろう。そういった行き場の無くなった人々の心の隙間にISは巧みに入り込み、仲間を増やしている。このサイクルは手強く終わりがない。

いくらシリアを空爆したところで根本的な解決には程遠く、ますます事態を悪化させるだけだ。なぜそれが分からないのか・・