相変わらず日本政府ははっきりとした物言いをしない。はっきりとものを言わぬのは日本の美徳にひとつかもしれないが、世界の場においては事情が異なり自分の意見をはっきり言えぬ者はまず信用されない。
そんなことを普段『先生、先生』とチヤホヤされている政治家のおっさん達が知る由もなく、今回のエルサレム問題についても記者団に問われた河野外相が『遺憾なことだ』と述べるにとどまり、安倍首相の反応は示されていない。これは他の主要諸外国の首脳の反応とは対照的であり、この点を見ても明らかにトランプ政権に気兼ねしてだんまりを決め込んでいるようにしか見えず、ほとほとアメリカに対して隷属的な国だと痛感させられる。
そもそも日本は長年パレスチナを支援してきた経緯もあるので、ここは正々堂々と『エルサレムを首都と認めるのは反対である』との意見を述べるべきだ。そうすれば反発を強めるアラブ諸国に対しても『日本はこう思っている』と示せるわけだし、他国に対しても日本の立場をはっきりと示すことができる。なのに何も発信せぬとはほんと情けない。
アラブ諸国を中心とした各国は日本をアメリカに追随するだけの国としか見ないだろう。
外交とはなんぞや?
日本は外交さえも満足にできぬ国に成り下がってしまったのだ。