80億分の1人としての、たわいもない日常を記す

何が異次元なのか

 待ったなしの少子化対策について、岸田君は『異次元の対応を取る』と言っているが、それって今まで何もしてこなかったと言っている様なものだ。ま、実際にそうだったから今の現状があるわけで、ここまで出生率が下がり、独身者が増加している状況では小手先の対策を打っても変化は引き起こせないと感じる。例えば児童手当を拡充したり、出産手当てを増額したところで、じゃあ子供を作ろうなんてことには直結しないだろう。なぜ若者が結婚しないのか、と言うことをちゃんと突き詰めて対策を行わないと、無駄にお金をバラまくだけで効果は一切無しということになりかねない。まず結婚するお金がない、結婚しても家族を養える収入がない、子育てにはお金がかかる、などなど基本的に資金力の無さが晩婚・非婚を否応なく選択させ、それが少子化に直結している様に思う。出生率の減少と賃金の伸びを示すグラフとを重ねると、賃金の伸びが鈍化し始める時期と同じくして出生率も著しく減少傾向を示している。

金銭的な負担に加えて長時間労働などによる精神的肉体的疲労が増すことで子供を諦める人が増えている面もあるだろうし、何より子育てに関する環境が50年前とほぼ変わらず親の負担が増す一方であることが少子化の大きな原因の一つだろう。異次元というなら子育て環境を根本的に作り変えるくらいの覚悟を持ってやらねば、何も変わらず改善しないだろう。今政治家に必要なのはその『覚悟』なのだ。