80億分の1人としての、たわいもない日常を記す

過去からの手紙

patiroma2011-04-27

実家に一枚のはがきが届いた。
それは風景画作品展の案内のポストカードで、大きく画家の名前も書かれていたがその名前に心当たりは無かった。『なんで送られて来たんだろう?』不思議に思いながらポストカードをよく見ると、コメントが書かれていた。『15年前に琵琶湖で製作中に写真を撮ってもらいました』とある。ここで僕の記憶が一気に蘇り『ああ、あの人だ!』と、ようやく思い出した。
写真学校に在籍していた頃、自分の作品作りのために毎日のように琵琶湖に通いつめ写真を撮っていた。そんな夏の暑い日に風景画を描いていた彼と出会い、そして写真を撮らせてもらった。その写真は自分で現像し、白黒写真として仕上げ、彼に送ったのだ。それから15年か・・
あれからずいぶん月日は経ったが、意外と自分が撮った写真のことはよく憶えている。そしてその時のシーンも気味の悪いほどにはっきりと憶えていて、記憶の中では時間は止まったままになっている。
なぜ彼が突然僕にはがきを寄越したのかよく分からないが、僕が15年前に送った写真が何かの拍子に出て来て懐かしくなったのかも知れない。
いずれにせよ今回のことには不思議な縁を感ぜずにはいられない。
若かりし頃の夏の暑い日が、15年という月日の流れを経て蘇ろうなんて誰が想像できただろうか。