80億分の1人としての、たわいもない日常を記す

一通の手紙

patiroma2007-07-24

家に帰ると一通の手紙が届いていた。誰からだろうと見ると僕宛に来たものではない。どうやら前住者宛に送られて来たものらしい。僕達の前、つまりこの家を建てた人については名字と市内で呉服屋をやっていたという事しか知らない。近所に挨拶回りをした時も良い人達だったとだけ聞かされていた。呉服屋の経営がうまくいかなくなった為かこの家が差し押さえられ、退去せざるを得なくなったようだが、彼らは今この家に住んでいる僕達をどのような気持ちで見ているのだろうか?おそらく様子を見には来ているはずだ。
主が去りし家に届いた一通の手紙を通してまるでこの家自体が何かを僕達に伝えようとしているのではないか?とも感じ取れるのだ。