80億分の1人としての、たわいもない日常を記す

覚悟

patiroma2015-01-21

その時が刻一刻と迫る中、何か有効な手が果たして打たれているのだろうか?

映像の解析などは彼らの解放に向けて何の意味もなさない。話題作りのためだけのものだ。

そんな中で人質となっている後藤さんに関する情報が多く紹介されるようになった。それらを見るにつけ『こういうジャーナリストを失ってはならない』と強く思う。彼がラッカ入りに際して残した映像メッセージからも彼の強い意志と覚悟が伝わり、なおかつ『自分に何があっても、シリアの人々を恨まないでほしい』という、今の状況を見越した言葉には敬服すら感じる。

そうなんだ僕もシリアには2ヶ月近く滞在していたが、皆とても優しかった。そんなに長く居たのも居心地が良かったからにほかならない。あくまでもシリアの人々は被害者なのだ。アフガニスタンでのアルカイダがそうであったように、シリアやイラクの混乱に乗じて一部の過激な勢力が台頭し、それに旨味を感じた他国の過激派たちが寄り集まってできたのがイスラム国だ。奴らにとってみれば従わざるものは殺すという暴力の論理だけがまかり通るような恐怖政治を支配地域に強いており、おそらく住民の多くは陰ながら彼らに反発してるだろう。

そんなイスラム支配下の状況を取材したいと言っていた後藤さんの希望が叶うことを願ってやまない。