80億分の1人としての、たわいもない日常を記す

中国の影

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ミャンマーの人々の怒りはどういう展開をもたらすのだろう。

軍によるクーデターで突如民主主義が奪われ、それを容認しない人々が大規模な抗議活動を展開しているが、銃撃による負傷者も出るなど事態は日々緊迫度を増している。軍は力によって民衆を押さえ込もうとしているが、公務員の多くも仕事をボイコットしてデモに参加するなど、軍が政権を奪取してもそれに従わぬ官僚や公務員が多ければ国の統治機能が働かず、軍も手を引かざるを得ないだろうとの読みで抗議活動が展開しているようだ。一方で軍が強硬策に出て多くの死傷者が出るような事態に陥っても、人々はその犠牲を乗り越えて抗議を続けるだろうか。

プーチンに対する抗議デモが続発しているロシア、香港問題を抱える中国などにしてみたら、民衆の力が軍を追いやるような展開は決して受け入れられないだろう。民衆には絶対服従を矯正してこその一党独裁製であり、ミャンマーの火種が飛んで来ないとも限らない。ひょっとしたら中国あたりは軍に手を回して強硬措置に出るようそそのかしているかもしれない。中国にとってアンダマン海に面したミャンマー南部に軍の拠点を築ければ、インド洋に道が開けることになり大きなアドバンテージとなる。そういった面から見るとミャンマー民主化を一番阻止したいのは中国であり、アメリカ大統領選の混乱が後を引いているうちに行動を起こしたともいえる。

この問題、なかなか根が深そうだ。