80億分の1人としての、たわいもない日常を記す

名のある死

f:id:patiroma:20211222191624j:plain


先日保護し、猫白血病ウイルス陽性と診断された子猫の体調が昨夜急変し、手当ての甲斐なく死んでしまった。我が家に来てからわずか7日目のことだった。日中は比較的元気で妻に抱かれながらゴロゴロいっていたくらいなのに、暗くなってから急に様子がおかしくなり引きつけを起こす様になった。急いで病院へ連れて行ったが白血球の数値は通常9千ほどが16万にまで上昇しており、その他にも様々な合併症を併発して死亡した。妻や娘たちはショックで泣き崩れたが、為すべきことは為したと思っている。猫白血病ウイルス陽性と聞いた時は『あまり長くは生きれないだろう』と思ったが、よもやこんなに早く死んでしまうなんて考えもしなかった。この子猫を見つけた長女は激しく泣いていたが、少なくとも死にかけていた名無しの野良猫に名前を与え、僅かばかりの間だったが家と食べ物に困ることはなく、そして何より愛情を注ぎ、思い出を残すことができた。ゴロゴロ言いながら喜んでいたこの子猫の姿と名を家族は忘れることはない。

今日、この子猫を丁重に埋葬し、花を手向けてあげた。旅立つにはあまりにも早過ぎる命だった。