80億分の1人としての、たわいもない日常を記す

半兵衛が夢

patiroma2009-09-27

円興寺・南宮山に続き今日は菩提山に登り、登山攻勢をかける。と言っても標高400m程度なので1時間もあれば登れてしまうお気軽登山だ。ここもずいぶん前から登ろうと思っていたがなかなか実行できなかった場所の一つ。菩提山と言えば竹中半兵衛の居城として有名な菩提山城があったところだ。
今回は娘達の負担を考えて少しでも標高の高いところから登ろうと、明神湖側の裏手から登り始める。標識には1.3km45分とあり、楽そうに感じたが尾根筋に出るまでの登りがキツく、檜林の谷筋で風が通らず蒸し暑い。少し体調を崩していた次女が歩けないとぐずり始め、妻と交代で全行程をおんぶして進むことになったがこんなこともあろうかと、子供おんぶ用の背負子を持参したのでそれで何とか凌ぎきった。まあ、次女は体重10キロしか無いので弁当や飲料をたっぷりと詰め込んだバックパックよりは大分軽かったけどね。
登山道には真新しい鹿の糞が落ちており、鳴き声もしていたので近くにはいたのだろう。其処ここの木には熊の爪とぎの跡も多数見られ、今回もわざと音を出しながらゆっくりと登ってゆく。
菩提山城跡に着くとその遺構の残り具合の良さに感動し、またその規模に驚かされた。以前から名だけは知っていたがこれほどの城だったとは・・と1人で昂奮していると、妻はまったく興味が無いらしくさっさと行ってしまう。本丸跡からは濃尾平野が見渡せ素晴らしい眺めだ。半兵衛公も同じ風景を眺め、何を考えていたのだろう?そんなことを考えながらおにぎりをほおばる。平野からは乾いた風が吹き上げて来て、火照った身体を冷やしてくれる。ああ、なんて気持ちがいいんだ!
無性にうれしくなって子供達と本丸跡を駆け回る。あまり長居が出来ず、城の様子をくまなく見て回れなかったのが残念だったが、本丸跡に多く生えていたイロハモミジが色づく頃か、何本も見かけた巨大な山桜が咲き誇る頃にもう一度、今度は表の登山道から登ってみようと思う。

僕達以外に誰も訪れる者がいなかったこの城跡は、その大きな規模を誇りもせずひっそりと林間に埋もれている。しかしそこに立てばいにしえの人々の意志を感じることが出来る。そんな生きた山城だった。