80億分の1人としての、たわいもない日常を記す

暗闇の軽トラ

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仕事からの帰り道でのこと、近所の田んぼの畔に無灯火の軽トラが止まっていて道を半ば塞いでいた。『邪魔だな〜』と何とか脇をすり抜け家に到着したが、『どうも妙だな?』と思い懐中電灯を持って軽トラの場所まで行ってみた。というのもあたりが真っ暗なのに田んぼの畔に軽トラが止まっているのは変だろう。ひょっとして田んぼに来てそのまま倒れとるんじゃ無いかと思って確認しに行ったわけだ。強力な懐中電灯で照らしながら歩いてゆくと、田んぼの手前の方には人影はなかった・・と、そのとき田んぼの奥の方でカチャカチャと金属音がして、その方を照らしてみるとおじさんが耕運機をいじっている様子だった。ただ、ライトも無く真っ暗な中で何をしていたのか分からない。『大丈夫ですか?』と聞いてみると『ああ、大丈夫だよ』と答えてこちらに歩いてきた。『真っ暗な田んぼに軽トラが止まっていたので、誰か倒れていないかと心配になって見に来ました』と言うと、『それは心配かけたね。もう少しやりたかったけど暗くなちゃってね。でももう帰るよ』と言って帰り支度を始めた。聞けば相続でこの田んぼをもらい、ぼちぼちやっているという。住まいも隣の市なので結構距離がある。そこからわざわざ来ての作業だから暗くなっても頑張る気持ちは良く分かる。

帰り際『じゃあお気を付けて』と言って別れたが、杞憂で終わって何よりだったよ。