80億分の1人としての、たわいもない日常を記す

ラオス植民地化計画

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中国国境のボーテンとラオスの首都ビエンチャンを結ぶ鉄道が開通した。20年近く前、同じルートをバスで通ったことがあるが、あの険しい山岳地帯を貫いて鉄道を通したことに中国の並々ならぬ力の入れ様を感じる。当然ラオスには鉄道を建設する予算も技術もないわけで、建設・運営費の7割は中国、3割がラオス負担となっている。この鉄道の開通で中国雲南省昆明市まで鉄道が繋がり、ラオスには中国からこの鉄道を通じ人と物が大量に流れ込むことになる。海を持たないラオスにとってはこの鉄道の開通が大きな経済的効果をもたらすと期待されているが、一方で鉄道建設によって対中国債務が膨大な額に上り、この債務返済が滞れば中国政府はここぞとばかりにラオス政府の持つ権益を片っ端から要求し、植民地化するリスクが非常に高い。というより始めからそれを見越しての鉄道建設で、ラオスはまんまと手玉に取られたということだ。

商売っ気が無いラオスの人々がしたたかな中国相手にうまく立ち回れるとは思えない。そう遠く無い未来、ラオスが中国の一省化してしまうのではないかと危惧している。そうならないよう祈るしかない。