80億分の1人としての、たわいもない日常を記す

便利な様で不便なもの


 我が家の東芝製縦型洗濯機には一つ決定的な欠陥がある。それは洗濯の最終工程である脱水に関するもので、脱水のため洗濯槽がスピンを始めたときガタガタと揺れるが、そのガタつきが大きいと『衣類の片寄り』とのサインが出て再び注水し、しばらく回転して衣類の片寄りをほぐし、それからもういちど脱水工程に入るというプログラムになっているが、洗濯物の量が少ない時でも頻繁にこの『衣類の片寄り』警告が出て、何度も注水して再び脱水、また警告が出て注水、そして脱水という様に無限ループに入ることがある。我が家の様に井戸水を使用しているとこならまだしも水道水の家庭ではとんでもなく水道代が掛かってしまうことだろう。この機能は一見すると便利な様だが、全くもって不便極まりない機能だ。そもそもガタつきを捉えるセンサーが敏感過ぎるのだろう。この洗濯機の前のものはガッタンガッタン揺れても気合でぶん回してへこたれることはなかった。そういう点から考えるとヘタに高機能のものを買うと余計使いづらいことになる。車だってそうじゃないか。いろいろな安全機能が付いているが、しょっちゅう警告音などが鳴り返って集中力を損なうため、その機能のほとんどは切って乗っている。洗濯機だって洗濯物を突っ込んでボタン押しといたら勝手に終わっている、それだけでいいじゃないか。敏感に反応していちいち手間を掛けさす様なら全自動の意味が無い。こういう本質を外れた言わば『飾り』の部分にばかり注力した結果が、日本の家電業界全体の衰退につながっていると自分は考えている。