80億分の1人としての、たわいもない日常を記す

油断

 未明3時のこと。寝ていると庭から『ギャギャー』というただならぬ鳴き声が聞こえ飛び起きた。その瞬間『しまった、やられた!』と悟った。と言うのも抱卵に入ってしまったニワトリを戻すために三日三晩隔離して最後の晩を迎えていたのだ。隔離は移動式のケージを使うため防御力が弱く、襲撃を受けたときのためにケージが持ち上がらない様レンガをいくつも置いて備えていた。ただそのケージからどうやってニワトリを引きずり出したのかは分からないが、レンガなどはそのままで見事にさらわれていた。

ニワトリの絶叫を聞いてすぐに外に飛び出したがすでにニワトリの姿は無く、羽が散乱しているだけだった。周辺を懐中電灯で探したが見つからず、諦めて家に戻ろうとしたとき再びニワトリの絶叫が畑の方から聞こえて来た。声の方に走って行くとトマトの横でニワトリを発見し、 その向こうに堤防を越えて猛ダッシュで逃げて行くキツネの姿を見た。ニワトリは一見して元気そうだが、足を引きずっているのが気に掛かった。そのまま頑丈なニワトリ小屋に入れ朝を迎えニワトリの様子を確認したが、左足を地に着けない様に立っているところを見ると、噛まれた時に骨折もしくは大きな怪我をした可能性が高い。ただ血が流れるほどの出血は見られず、食欲も旺盛なのでこのまましばらく頑丈なニワトリ小屋に隔離し、高タンパクな餌を与えて怪我の回復を図ってみようと思う。

今回襲撃したキツネには恨みは無い。キツネの襲撃を招いた自分の油断がそもそもの原因だ。襲われたニワトリにもかわいそうなことをしたと思う。反省したい。