80億分の1人としての、たわいもない日常を記す

法の縛りが問題じゃないんだよ

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自衛隊機がアフガンでの退避作戦に失敗したことについて、自衛隊法の縛りが原因だったと言う愚かな意見が出始めている。自分は護憲派ではなく、法改正が必要ならば適宜改正していくべきだと考えているが、今回の退避作戦失敗の原因を単純に法の縛りのせいにすることは最近巷で流行っている責任転嫁の何ものでもない。仮に自衛隊が武器使用を認められていれば退避作戦は成功したのだろうか?仮に自衛隊員が空港を出て退避希望者を救出する作戦を実行したならうまくいったのだろうか?答えは明らかだ。自衛隊員に武器使用が認められていても、空港から出て作戦をすることが可能だったとしても、自衛隊は武器を使用しなかっただろうし、作戦を遂行することもなかっただろう。なぜか?それは武力衝突の危険を犯して退避作戦が成功する可能性が限りなく低いからだ。

今回の退避作戦失敗の原因は法の縛りでは無く、タイミングを見誤ったことと退避についての調整が全くできていなかったことだ。これは政府の危機管理能力の低さを如実に表していて、現在進行形のコロナ対応を見れば一目瞭然だ。徹底した情報の収集と分析、その結果に対する対応策の立案と調整、そしてタイミングを逃さず実行する決断力。これら全てが今の政府には備わっていない。本来自衛隊機がアフガンの空港に着陸した時点で退避希望者が空港に到着していないといけない。それが遅れたのはタリバン侵攻による混乱のせいだろうが、退避させることができた国があるのはなぜか?彼らは武力をもってタリバンを鎮圧し救出したのか?兵員輸送車・装甲車などを空港から繰り出し救出に出向いたのか?いずれも違う。日本と他国との決定的な違いは情報収集能力の差と、スピード感だ。危機的状況においては如何に早く動けるかが最大のポイントだ、ここで出遅れたことで既に作戦は失敗していたのだ。法の規制が問題ではない。自衛隊が迅速に動くためには法の縛りが邪魔だったと言うなら民間機を飛ばせば良かったのだ。

自分たちの能力の無さを反省もせず、自衛隊法のせいだとぬかす連中こそ真の愚か者だ。繰り返して言おう、自衛隊員が武器を使用でき、交戦区域で作戦行動することができたとしても退避作戦は失敗しただろう。なぜか?失敗の原因はそこではないからだ。そんな単純なことも分からんヤツらがあまりにも多過ぎて、いよいよこの国も終わりだと思ったよ。