80億分の1人としての、たわいもない日常を記す

カブール陥落

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アフガンの状況は悲惨としか言いようがない。結局アフガン国民は大国のエゴによって見捨てられたのだ。米軍が侵攻して20年。この間に生まれた子供たちはイスラム法を厳格に強要するタリバンの政策を知らずに育っているだろう。それが米軍撤退を機に急変し、女性は再び教育の機会と自由を奪われる可能性が高い。その絶望感はいかほどのものだろうか・・

米政権は『サイゴン陥落』とは違うと言うが、何が違うのだろうか。政治的な動機や結果が違ったとしても、アメリカを頼りにしてきた多くの人々が見捨てられた状況に変わりはない。アメリカは結局20年かけてアフガンの強欲な権力者どもの懐を肥やしていただけだった。自国の国民を守ろうともせず、アメリカからせしめた金を持って我先にと逃げ出したペテン師どものご機嫌を伺っていただけだった。

アメリカがこのままアフガンに関わっていくことが両国のためにならないことは確実で、いつか完全に手を引く必要があったことは間違いない。ブッシュ、オバマ、トランプの各政権がやろうとしてやれなかったことを同時多発テロ20年を機にバイデンが強行したことも理解できるし、彼ばかりが失策だと攻撃されるのも気の毒だろう。ただ、無残に見捨てられたアフガン国民に救いは無い。

アフガン国民に希望を与えた当事者自らが希望を奪うと言う皮肉。この絶望の矛先が新たなテロの温床なるのは間違い無いだろう。歴史は繰り返すというが、その影で嘆く人々に救いがあることをただ願うことしかできぬ無力感を感じている。