80億分の1人としての、たわいもない日常を記す

宗教とは


 宗教とは厄介なものだ。自分は無宗教のつもりだが子供の頃から聖書には慣れ親しんでいるし、仏教やイスラム教に対する考え方は多分人よりも強い。ただ単にある特定の宗教に対しての信者ではない、というのが一番しっくりくるような気がする。そこで思うのだ、本来人を救うために生まれた宗教が他人を攻撃する口実になったり、さらなる苦痛を与えるために利用されてよいのかと。こう書けば分かる通り自分は人あっての宗教だと信じている。この論法でいけば『じゃあ、人がいなければ神は存在しないのか』ということになるが、絶対的及び神秘的な現象やパワーをカミとするなら、それは確実に存在すると自分は信じる。だが宗教は違う。宗教は人が作ったものだ。それをどう解釈するかも、どう利用するかも全て人の手にかかっている。『汝、人を殺すなかれ』というのなら全力で戦争に反対せよ。片手で銃を撃ちながらもう一方で胎児の命を守れと糾弾するその姿勢こそ矛盾に満ちている。

救いを求める者に手を差し伸べるのが宗教であり、信者であろうがなかろうが全ての者は救われるべきだ。それが単なる理想であっても、そうあるように励むのが信者としての務めではないのか。意見の異なる相手と罵り合っていても何も生まれるものはない。