80億分の1人としての、たわいもない日常を記す

生命というもの

 姉は猫を3匹室内飼いしているが、家にやって来る様になった若い三毛猫も外の車庫で面倒を見る様になっていた。その三毛が妊娠していることが分かり、病院へ連れて行ったりいろいろと世話を焼いていたが、日曜朝に出産し、まずは1匹無事に産まれてきたそうだ。その後はまだ十分に成長していない胎児を産み、その子は死産だった。姉が言うには病院へ行ってレントゲンで診察したときは4匹の胎児が確認できたそうだ。それからするとまだ2匹が腹の中に残っているはずで、事実腹はぷっくりと膨れていた。最初の子の出産からずいぶん経った午後に再び出産したが、見た目はちゃんと成長していたものの息をしておらず、鼻を吸って蘇生を試みたものの鳴くことはなくこの子も死産だった。そして驚いたことに明くる朝になって最後の一匹を産み落としたという。最初の出産から実に24時間以上経っての出産だったが、この最後の子も死産だったそうだ。結局産んだ4匹のうち1匹だけが生きていたことになる。おそらくはこの親猫が若かったことと、妊娠当初は野良だったため十分栄養を摂れずそれが胎児の成育不良や死産に繋がったのではないかと考えている。今回姉が甲斐甲斐しくこの三毛の面倒を見ていたので親猫と1匹の子猫は生き延びることが出来たが、元の野良のままだったらおそらくは親猫とも全て死んでいただろう。その点で言えば二つの命を救った姉の献身を讃えたいと思う。